新年明けましておめでとうございます。
日本では、元旦を家族そろって集まり、伝統的なおせち料理を食べ、神社に初詣に行き、新たな年に幸多かれと願います。私も、昨年末から一時帰国し、91歳の母親を交えて、家族そろって新年を祝いました。
日本では、元旦から、リトアニアからのニュースが大きく報道されました。1月1日、ATMでユーロ紙幣を引き出し、その紙幣をかざして笑みを浮かべるブトケビチュウス首相の姿が、テレビで報道されました。
リトアニアに帰国後、私も初めて、買い物に出かけ、リタスで支払い、おつりをユーロ貨幣で受け取りました。ピカピカと輝く、リトアニアのユーロ貨幣は、EUに加盟した2004年からのリトアニアのユーロ導入への努力がついに報われたことの誇りと喜びを象徴しているようでした。貨幣の変更に伴う混乱は市中には見られず、スーパーのレジ係の見事な扱いにも感心しました。私が所有していたリタスの貨幣をレジ係は、すべて出すようにジェスチャーで示し、たくさんの貨幣を辛抱強く数え、そしておつりをユーロで返しました。考えてみると、リトアニアは独立後の20余年の間に、貨幣がルーブルから、臨時貨幣、リタス、そしてユーロと3回も替わっています。そのたびに貨幣の価値も変わり、市民は苦難を経験してきました。ユーロ導入が決定した昨年半ば、リトアニア政府は、リタスとユーロの交換レートを発表し、貨幣が替わっても、価値は変わらないことを示し、市民に安心を与えました。その安心が、今回混乱なく、推移している大きな要因であると考えます。EU加盟、NATO加盟、そしてユーロ導入と着々と欧州への回帰を果たしたリトアニアは、自信を深めているように思います。
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