リトアニアに着任して5ヶ月経ちました。美しい緑と水に恵まれたリトアニアの夏を楽しんでいます。リトアニアでは、日本との関係では、我が国の企業である日立製作所が戦略的投資家であるところから、ビサギナス原子力発電所建設計画に大きな関心が集まっていますが、リトアニアではあまり報道されていない分野でも日本との関係が進展しています。
1 アフガニスタンに関する東京会合
7月8日、日本政府とアフガニスタン政府の共催で、アフガニスタンに関する東京会合が開催されました。この会合には、55カ国および25の国際機関の代表が参加し、リトアニアからイグナタビチユス外務副大臣が出席しました。この会合の狙いは、国際社会が「変革の10年(2015年~2024年)においてアフガニスタンの自立に向けて開発面の努力を支援することにコミットし、支えていく、との戦略的メッセージを発出することにありました。会合では、2015年以降のアフガニスタンの持続的な成長の道筋を具体的に示し、アフガニスタンが2015年以降も安定し、発展し続けるという強い戦略的なメッセージを、アフガニスタン国民および国際社会に発信することができました。2015年以降も国際社会より、2015年までの160億ドルを超える規模の力強い支援のコミットメントを得ました。リトアニアとの間では、我が国はゴール県において数多くの開発協力プロジェクトを実施しています。ゴール県の主要道路舗装、県立病院の改修、チャグチャランにおける職業訓練センターや保育所を立ち上げました。
2 日EU・EPA(FTA)
昨年5月、日・EUサミットにおいて、日EU・EPA(FTA)の交渉の開始に向けて協議を行うことが発表されました。7月18日、欧州委員会は、日本との間の交渉開始に向けての協議が終了し、交渉を開始することについて、加盟国の同意を求めることとすることを発表しました。リトアニア政府は、既に、5月の外務理事会でメイルーナス外務副大臣がリトアニアとして交渉の開始に賛成することを明らかにしています。デ・グフト欧州委員は、試算では、この条約の経済的効果は,EUのGDPを1%増大することが見込まれると述べています。我が国としては、欧州委員会が交渉の開始に加盟国の同意を早急に得ることを願っています。また、イグナタビチユス外務副大臣が、山根外務副大臣に対して、2013年のリトアニアEU議長国時に交渉が妥結すれば象徴的な意味を持つと述べたたように、私も、リトアニアのEU議長国時交渉が進展することを望んでいます。
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