アルヴィダス・アリシャウスカス氏 旭日小綬章叙勲
平成27年11月4日
アルヴィダス・アリシャウスカス氏への旭日小綬章伝達式
2012年11月20日、日本大使公邸に於いて、アルヴィダス・アリシャウスカス氏への旭日小綬章(The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Rosette)伝達式(リトアニアの民間人が日本政府からの叙勲を受けるのは、アリシャウスカス氏が初)が行われました。同式にはゲル-ナス文化大臣、セクモカス・エネルギー大臣など約50名が出席しました。
冒頭、白石大使が祝辞を述べ、その後、勲記を読みあげ勲章の伝達が行われました。アリシャウスカス氏は挨拶の中で、叙勲に際して、日本政府、日本大使館、日本国民への心からの感謝の言葉を述べていました。
アルヴィダス・アリシャウスカス氏の旭日小綬章叙勲について

2012年11月3日、日本政府は、リトアニアにおける日本文化紹介及び日本語研究の普及に貢献したとして、アルヴィダス・アリシャウスカス氏に「旭日小綬章(The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Rosette)」を贈与することを発表しました。リトアニアの民間人が日本政府からの叙勲を受けるのは、アリシャウスカス氏が初めてです。今回の授賞により、日リトアニア関係が更に強化されることが期待されます。
今回の叙勲の概要は以下の通りです。
1.受賞者氏名・肩書
アルヴィダス・アリシャウスカス(Arvydas Alisauskas)(70歳)
前ビタウタス・マグヌス大学日本学センター長
2.功績概要
(1)日本文学をリトアニア語に直接翻訳し、日本文化普及に貢献
アリシャウスカス氏は、モスクワ国立大学東洋語学研究所で日本語を学び、1969年に日本の文学作品を初めて日本語から直接リトアニア語に翻訳した。その後も翻訳を続け、計8冊の日本文学等を翻訳し、リトアニアに紹介した。
(2)日本学センターの設立
1994年、アリシャウスカス氏のイニシアチブで、カウナスのビタウタス・マグヌス大学に日本学センターが設立され、初代センター長に就任した。2008年に同センター長を辞すまで、アリシャウスカス氏は日本研究の発展に尽力し、日本研究第一世代を育成した。同氏に学んだダイニュス・ペトラス・カマイティス前駐日リトアニア大使、ゲルーナス文化大臣をはじめとする数多くの教え子達が、様々な分野において日本・リトアニア関係強化のため活躍している。
(3)日本の経営学等をリトアニアに紹介
1970年代からアリシャウスカス氏は、日本の経済・経営システム及び経済成長について論文を書いたり、講義を行い、その紹介に努め、リトアニア企業に日本企業の経営モデルを取り入れるよう奨励した。
(4)杉原千畝の功績普及に貢献
第2次世界大戦時までカウナスの日本領事館で杉原千畝副領事が勤務していた建物は杉原記念館となり、2001年に日本学センターも同記念館の2階に移転した。アリシャウスカス氏は、杉原記念館と協力し、命のビザで知られる杉原副領事の功績を伝えることに尽力した。同副領事の夫人(故人)の著書もリトアニア語に翻訳している。
略歴
1942年6月23日カウナス生まれ
学歴:
1965年 カウナス技術大学ラジオ工学部修了。
1969年 ロモノーソフ記念モスクワ国立大学東洋語学部(日本語専攻)修了。
1975-79年 カウナス技術大学大学院修了、テーマは『日本におけるマネージャー養成及び活用システム』。
1995年 日本語教育者短期プログラム修了、日本語教育者証明書を取得。
職歴:
1964-1973年 カウナス・ラジオ製造局にて、主任技師として、後に設計技師長として勤務。
1973-1975年 カウナス・ラジオ測量調査研究所及びテキスタイル科学調査研究所において、主任研究員兼技師として勤務。
1979-1989年 内閣府専門家再教育機関において、上級講師、後に管理局主任として勤務。
1989-1990年 個人企業Menta勤務
1991-1994年 A.アリシャウスカス・コンサルティング会社経営
1994-2008年 ヴィタウタス・マグヌス大学主任講師
1996-2000年 ヴィタウタス・マグヌス大学人文学部日本学センター長
2000-2008年 ヴィタウタス・マグヌス大学大学付属日本研究センター長
研究分野:
日本企業における人事管理、経営の特徴、コミュニケーション及び管理倫理
言語:
リトアニア語、ロシア語、日本語-上級、英語-中級
家族構成:
既婚、1男1女、孫2人