エマヌエリス・ジンゲリス氏 旭日中綬章叙勲伝達式

令和3年7月27日
エマヌエリス・ジンゲリス氏      旭日中綬章叙勲伝達式


7月21日、日本・リトアニア間の関係強化及び議員間交流の促進に寄与したとして日本政府より「旭日中綬章(The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon)」を叙勲されたエマヌエリス・ジンゲリス国会議員に対する叙勲伝達式がビリニュス・ガオン・ユダヤ歴史博物館において行われ、山崎大使より旭日中綬章の勲記及び勲章が授与されました。

山崎大使より、2011年3月、ジンゲリス議員がセイマス外務委員長在任中に東日本大震災による我が国の惨状に大変心を寄せてくださったこと、リトアニア日本友好議連のメンバーとして両国の人的交流に積極的に取り組まれていること、そして、杉原千畝氏の功績を次世代に伝えるための活動に非常に積極的に取り組まれてきたことに対する感謝が述べられました。

ジンゲリス議員は、ユダヤ人議員として杉原千畝氏の功績を広く知らしめる活動を通じて、日本との交流が深まり、その活動がこのような高い評価を得たことに心から感謝し、今後も日本人、リトアニア人及びユダヤ人を一層強固に結びつける活動を続けたいと述べました。

伝達式では、杉原千畝氏の四男伸生氏ご夫妻からのビデオ・メッセージ、中曽根弘文日本リトアニア友好議員連盟会長よりの祝辞、小丸成洋在福山リトアニア共和国名誉総領事よりの祝辞が紹介されました。また、歌手であるユオザパイティス国会文化委員長も祝辞を贈るとともに1曲披露し、ジンゲリス議員の友人のユダヤ人歌手カルピス氏とピアニストのマジンタス氏によるコンサートもあり、終始和やかな雰囲気で行われました。

今回の叙勲をきっかけとし、日本・リトアニア間の友好関係の更なる発展が期待されます。


   
杉原千畝氏を記念してキャンドル点灯         山崎大使からの祝辞

   
勲記の授与                         勲記の授与

  
ジンゲリス議員の答礼                    杉原伸生氏ご夫妻からの祝辞ビデオ

  
ユオザパイティス国会文化委員長からの祝辞と演奏         オペラ歌手カルピス氏による演奏
(ピアノ:マジンタス氏)

 


エマヌエリス・ジンゲリス氏   旭日中綬章叙勲


 

4月29日,日本政府は,日本・リトアニア間の関係強化及び議員間交流の促進に寄与したとして,エマヌエリス・ジンゲリス国会議員の「旭日中綬章(The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon)」受章を発表しました。
 
今回の叙勲の概要は以下のとおりです。

1.受章者氏名・肩書
 エマヌエリス・ジンゲリス(Emanuelis Zingeris)(略歴参照
 現 国会議員
 元 リトアニア日本友好議員連盟副会長(現在も会員)
 
2.主な対日功績
(1)リトアニア国会外交委員長としての両国関係強化への貢献
 同人は,2011年3月,東日本大震災の4日後に,リトアニア国会内のチャペルにおいて我が国への祈りの集会を開催し,リトアニア国民の我が国の惨状に対する関心を高めた。2011年10月には,同人の発案に基づき,リトアニア国会内で日・リトアニア外交関係20周年記念・震災復興写真展が行われるなど,一貫して震災を被った我が国に寄り添う姿勢を示し続けた。また,同人は,リトアニア国会外交委員長として,日EU・EPA支持を含む,日リトアニア関係に関するリトアニア国会外交委員会声明の採択を主導し,リトアニア政府に日EU・EPA締結を促した。
 
(2)日・リトアニア議員間交流の推進
 同人は,2014年7月にリトアニアを訪問した山崎正昭参議院議長一行を迎え,議員間交流を深めた。また,2015年2月には,自ら訪日し,与野党関係者と面会し,日本とリトアニアの議員間関係の強化等について話し合った。
 2016年8月の海上自衛隊練習艦隊のリトアニア寄港に際しても,リトアニア側要人として応対し,積極的に交流に参加した。
 2016年11月からは副会長として友好議連の活動に精力的に取り組み,2017年9月には議員仲間とともに,日本側友好議連の中曽根弘文会長のリトアニア訪問の実現に貢献し,同会長のリトアニア滞在にも同行した。
  
(3)杉原千畝氏の功績を次世代に伝える為の活動における貢献
 同人は,ホロコースト・サバイバー家族第二世代として,2018年1月の安倍総理(当時)のリトアニア訪問時に,安倍総理が杉原氏の人道的行為に敬意を示してくれたことに対して自ら謝意を伝えつつ,「日本における現在の成熟した民主主義は,諸国民の中の正義の人である杉原千畝の模範を堅固に引き継いでいると言えるでしょう。」と述べた。
 同人は,ユダヤ博物館館長の職にあった時,ビリニュスのユダヤ博物館ホロコースト展示館(パメンカルニョ通り)横に,杉原千畝の記憶を残すために記念碑「月光」と広場をつくることを発案した。完成した記念碑は日本人彫刻家北川剛一氏とリトアニア人彫刻家ブラダス・ビルジューナス氏作。桜の木も記念植樹された。
 また,リトアニア国会は,杉原氏のビザ発給から80周年にあたる2020年を「杉原千畝の年」としたが,同人はその記念行事の一環として,リトアニア国会の建物内に杉原千畝とその家族の写真等を50点程度展示する特別展を企画し,そのオープニングにはプランスキエティス国会議長,シャウリエネ同副議長,プイドカス友好議連会長も駆けつけるなど,大きな注目を集め,日本でも報道された。さらに,「杉原千畝の年」を記念した行事の一環としてリトアニア外務省が2020年10月に開催した,杉原千畝に関する国際会議でもスピーカーを務めた。
 同人は,杉原「命の外交官」基金のシモナス・ドビダビチュス氏(1960-2019年)と長年にわたり親友関係にあり,カウナス及びビリニュスにおける杉原千畝の顕彰活動方針について意見を交わしてきた。 同人は,リトアニア国内での杉原千畝氏関連行事に積極的に貢献している。日本の国会議員との恒常的な交流に力を入れながら,今後も個人的にリトアニアにおける杉原千畝の業績を称え及びその広報を行うことに意欲を示している。