安倍元総理の国葬にあたっての尾﨑大使ご挨拶

令和4年9月28日
皆様
 
昨日9月27日、東京にて、安倍晋三元総理の国葬儀が、国内に加え、海外から218の国、地域、国際機関などから約700名の参列を得て、厳かに営まれました。リトアニアからはギエドレ・バルチーティーテ官房長官が遠路訪日され、国葬儀にご出席されました。日本政府を代表して、心より感謝申し上げます。
去る7月8日の安倍元総理の突然の訃報に際しては、ナウセーダ大統領をはじめとするリトアニア政府要人や日本と関係が深い友人等から暖かい弔意メッセージをいただいた他、シモニーテ首相や日本リトアニア友好議連会長のバリンスカス議員をはじめとする多くの方々が記帳や献花のため当館へお越し下さいました。皆様から示された温かい厚情や同情に接し、あらためて日本とリトアニアの絆の強さに勇気づけられました。この場をお借りしまして、あらためまして日本政府を代表して厚く御礼申し上げます。
 
安倍元総理は、日本の憲政史上最長となる8年8ヶ月にわたり日本国総理大臣として、卓越したリーダーシップと実行力を発揮し、日本と世界の平和と安定のため尽力されました。安倍元総理は、総理在職中の2018年1月、リトアニアが独立を宣言してから100周年という歴史的な年にリトアニアを訪問し、グリボウスカイテ大統領(当時)やスクバルネリス首相(当時)と会談を行いました。会談では、両国の杉原千畝を通じた長年の絆や民主主義や人権といった共通の価値観を確認し、投資・経済交流の更なる促進、科学技術、ライフサイエンスなど医療分野、Fintechなどの分野で両国間の協力を進めていくことで一致しました。こうした関係強化のための取り組みは着実に進められ、科学技術、保健、エネルギー分野での両国間の協力を促進するための政府当局間覚書の交換、ワーキングホリデー制度の導入、JETRO経済ミッションの派遣、租税条約の発効等,両国の協力関係は様々な分野に広がっています。
そして本年は、ロシアのウクライナ侵攻という信じがたい惨事が発生し、民主主義を主体とした世界の戦後システムが大きな危機を迎えています。そのような中、日本国大使館は、安倍元総理の意志をつぎ、100周年である今年を機に、リトアニアとの友好・協力関係のもう一段の強化に取り組んでまいります。
  今後とも引き続き、ご理解とご支援、並びに一層のご指導を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。この度は、誠に有り難うございました。
 
                                          在リトアニア日本国大使
尾﨑 哲